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RPAとシステムの違い

この記事では、用語の定義を踏まえ、「RPAとシステムの違い」「RPAとシステム化の違い」「RPAとシステム開発の違い」など、RPAとシステムの関係について解説します。

RPAとシステムの用語の関係

最初に、RPAとシステムという用語の関係について解説します。

「RPA」と「システム」という2つの用語には、共に、指し示す意味が曖昧な部分があります。この為、用語が使われる場面によって、多少、用語の意味合いが変わります。

まず、「システム」という用語が「コンピューターを使った仕組み」といった意味で使われている場合、RPAを活用して作られた仕組みも、システムに含まれます。

その一方、RPAの「パソコン端末でのユーザー作業を自動化する」や「従来は自動化する事が難しかった業務を自動化できる」といった特徴に注目し、既存からあるシステムと対比させた表現の為にRPAという用語が使われる事もあります。この場合、RPAはシステムに含まれません。

どちらの意味で用語が使われているのかは、文書や会話の前後関係などで判断するしかありません。

RPAとシステム化の違い

次に、RPAとシステム化の違いについて解説します。

もうお解りだと思いますが、RPAとシステム化の違いについては、用語の定義によって結論が変わります。

もし、RPAという用語がシステムの一部という意味合いで使われている場合には、RPA導入はシステム化に含まれます(システム化の手法の一つとして、RPA導入が行われます)。

これに対して、RPAという用語がシステムとは別のものであるという意味合いで使われている場合には、RPAとシステム化(従来型のシステムの導入)は、同じ目的を達成する為に利用出来る2つの手法という事になります。

実際、ある目的(対象業務の自動化)を達成する為の手段を「RPA」と「従来型のシステム」から選ぶ事になるケースは珍しくありません。そのような場合には、この後で説明するようなRPAとシステムの違い(特徴)を理解した上で、選択すると良いでしょう。

※以下では、「RPAとシステムは違うものである(RPAはシステムに含まれない)」という定義に基づいて解説を続けます。

RPAと従来型のシステムの5つの違い

RPAと従来型のシステムの違いについては、5つの点を理解しておくべきです。

RPAとシステムの違い①:パソコン業務を自動化できる度合い

まず、RPAが従来型のシステムと最も異なるのは、この「パソコン作業を自動化できる度合い」についてです。

RPAでは、従来から存在するシステムでは自動化が難しかった、「ユーザーがパソコンを使い、画面を見ながら作業している作業」を、そのまま自動化する事が出来ます。

従来から存在するシステムでも、パソコンを使った業務の多くを自動化する事自体は可能でした。しかし、その為には、業務の進め方を大幅に変える必要がありました。パソコンの画面上で行う作業そのものを自動化する事は難しかったのです。

しかし、RPAでは、「これまで人が行ってきたパソコンの画面上での操作を、そのまま自動化する」という事が可能です。

RPAとシステムの違い②:業務変更への対応力

「業務変更への対応力」は、RPAの優れた特徴と言えます。

従来から存在するシステムにおいては、その前提となる業務の細かい部分が少し変わっただけで、大幅なシステム修正が必要となる事が良くありました。

しかし、RPAの場合には、そのような対応作業を大幅に簡略化できるケースが多いのです。

理由については、開発作業に関する詳しい説明が必要となるので省きますが、結論として、「RPAは、業務変更に対応させる事が容易である」と理解して頂きたいと思います。

※理由について知りたい方は、当社までお問い合わせ下さい。

RPAとシステムの違い③:業務の処理速度の改善度合い

その一方、「業務の処理速度の改善度合い」については、従来型のシステムを導入した方が大きな改善効果が得られるケースが多いと言えます。

RPAは「人がパソコンで行っていた作業を自動化する為の技術」です。ですから、「RPA導入後も、人が行っていた場合と同じくらいの処理時間がかかる」という事が基本となります。これは、工場の生産ラインにおいて、「人が行っている作業を単純にロボットに代替させても、大幅なスピードアップは期待できない」のと同じです。

勿論、実際には、人よりも機械の方が処理速度が速い事も多く、一定のスピードアップ効果は期待できます。しかし、高速化を目的としている場合、RPAを導入する事はお勧めできません。もし、大幅なスピードアップを目指すのであれば、従来型のシステムを導入し、業務の進め方自体も見直す事をお勧めします。

なお、RPAによる自動化後は、人がいない時間帯にも作業を続ける事が可能になります。この為、処理速度がRPAの導入現場で問題となる事は、あまりありません。

RPAとシステムの違い④:業務変革の為のツールとしての貢献度

少し難しい話になりますが、システムは「業務変革の為の道具(ツール)」として導入される事があります。

例えば、これまでは口頭だけで進んでいた業務にシステムを導入する事で、データをシステムに蓄積させたり、一定のチェックを自動でかけたりするような仕組みを導入し、業務変革に繋げたりする訳です。

しかし、RPAは「これまで人が行ってきた業務の手順」を前提として導入されます。この為、RPAを単純に導入するだけでは、そのような効果を期待する事が出来ません。

※業務の見直し作業とセットで行う事によって、RPAでも上記のような効果を導く事が可能な場合はあります。

RPAとシステムの違い⑤:導入コストの差

最後は、「導入コスト」についてです。

結論から言えば、「RPAの方が圧倒的に低コストで導入する事ができるケースが多い」という事にはなります。

ただし、そのような結論になるのは、従来型のシステムで対応する事が難しかった業務を自動化する為のコスト(費用)を、「従来型のシステム」と「RPA」で比較した場合においてです。

RPAでも、導入の仕方によっては、導入コストは高額になります。特に、RPAの特徴が活かせないような導入を行うと、低コストでの導入は難しくなります。コストを重視するのであれば、この点については注意して下さい。

RPAとシステム開発の関係・違い

RPAとシステム開発の関係については、誤解されている事が多い点です。

RPAに関するソフトウェアメーカーの尽力もあり、開発経験がない人材でも、一定水準のRPAに関する導入が出来るようになっている事は確かです。この為、「専門知識のない人材であってもRPAは導入できる」といった宣伝がされている事もあります。

しかし、RPAの内部には、通常のシステムと同じようにプログラムが存在しており、RPAもシステムもソフトウェアの一種である事に違いはありません。明示的にはシステム開発作業が行われなかった場合でも、内部ではプログラムは作成されているのです。

そして、RPAの導入であっても、業務で安定的に使う為には、例外処理・エラー処理と呼ばれるような様々な仕組みを組み込む必要があり、その為には、従来のシステム導入で必要とされてきた「設計」や「プログラミング」と同等の作業が必要となります。

すなわち、RPAの導入においても、システム開発は必要となるのです。

RPAと従来型のシステムのどちらを選ぶべきか

最後に、「システム化にあたって、RPAと従来型のシステムのどちらを採用するべきか?」という点で悩まれている場合の選び方についても解説しておきましょう。

「RPAの登場によって、自動化が可能となった」「予算上、RPAならば導入が可能」といった場合には、特に悩む事もなく、RPAが選択される事になるでしょう。

しかし、それ以外のケースにおいては、「RPAと従来型のシステムの、どちらかが適切か」という比較を行い、結論を出す事になるでしょう。その場合には、前述の「RPAとシステムの違い」を踏まえて検討を行うようにして下さい。

ただし、一点、注意して頂きたい点があります。

それは、「自動化を成し遂げる目的を深い部分まで理解した上で結論を出すべき」という事です。

単純な比較をすると、表面的な「コスト」や「処理速度」などで結論を出してしまいがちです。しかし、多くのケースでは、そのような判断では、本当に求められている答えを出す事は出来ません。

「業務変更が予想されるのかどうか」や「業務変革に繋げる事を考えるべきなのか」といった点も踏まえ、その上で、「RPAと従来型のシステムのどちらが適切なのか」という事を、RPAとシステムの違いを踏まえて判断すべきです。

なお、両者の違いを踏まえた分析を正しく行う為には、従来型のシステムとRPAの両者の導入経験がないと難しい部分もあるでしょう。迷われた場合には、経験が豊富な専門企業に検討を依頼される事をお勧めします。

最終更新日:2022年7月27日

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